2023.06.29 Thu
タオルケットは穏やかな
カネコアヤノさんのライブに行きました。
初めて1人で行きました。
めちゃくちゃ強かった。
カネコアヤノさんは
黒いドレスに藍色のSGを持って出てきた。
もう素敵。
SGといったら赤でしょって思うけど
黒いドレスに藍色のSGは可愛すぎる。
かと思えば
フィードバックガンガンの潰れた騒音から
一曲目が始まった。
あ、
この人めちゃくちゃ強い人間だって思った。
カネコアヤノさんは猫みたいな人だと思ってたし
猫を飼っているし
名前にネコって入ってるし(?)
でも
猫って言うより虎でした。
もう吠えてたなあれはギターで
その噛み付くような音圧で一瞬で引き込まれた。
70’sくらいのニューミュージックを
より新しくしたような
毒っ気のあるユーミンって感じ。
繊細で優しい歌。
でも歌声は
ビブラートとかミックスとかウィスパーとか
そんな事はどうでも良くて
歌声っていうより地声に近いような
力強くて太くて
詩を聞いてる感じに似てる。
歌詞もとても綺麗で
苦しくて、お茶目で素直な歌詞。
一つ紹介するならば
「光の方へ」って歌があって
サビの
たくさん抱えていたい
次の夏には好きな人連れて
月までバカンスしたい
隙間からこぼれ落ちないようにするのは苦しいね
だから光の方 光の方へ
とか、綺麗だなぁって思うし
かと思えば、2番Aメロの
靴のかかと 踏んで歩くことが好き
潰れた分だけ なぜか愛おしくて
僕だけの命 チューブのチョコレートみたいに けち臭く 最後まで
って天才かと思うし
靴のかかとを踏むのが好きっていう
ズボラ代表が
その潰れたかかとをみて
歩いてきた証拠なんだよねって愛おしむ感性が新鮮で素敵過ぎる。
それでチューブのチョコレート?
普通チューブの歯磨き粉って言うやん…
それか
カラー剤のチューブでしょ…。
それは美容師だけか。
でも良く考えると
歯磨き粉のチューブと
チョコレートのチューブじゃ全然意味が変わってきて
チョコレートのチューブは
けち臭さと同時に少しの幸せ、希望を搾り取っている様子を感じる。
歯磨き粉なんかに幸せも希望もないし。
やっぱり天才だ。
ライブの話に戻ると
そんな優しくて繊細な歌詞を
パワフルに歌うわけですよ。
しかもトーク無しアンコール無し
100分間ぶっ通し。
最高にロック過ぎる。
ギターは
元・躍ってばかりの国の林さん。
煌々とした白のテレキャス
音が良過ぎる。
テレキャス特有の
鉄鳴りした
チャキチャキした音が最高。
ハイの音が眩しいほど煌びやか。
カントリー調なところから
脳と心を揺さぶるギターソロ。
何を取っても一級品。
メロディアスでエフェクティブな音。
そんな音に全然負けてない
カネコアヤノさんの歌。
途中で涙ぐんで歌ってたな。
少し心配になった。
でもふわふわした濡れた声は
めちゃくちゃ鋭かった。
普段ライブは身体で音を聴きたがるので
目を瞑る事が多いけど
目を逸らしちゃダメだって
2万回ほど繰り返した。
最後の三曲
感情剥き出しで圧倒された。
気付いたら汗かいてた。
ドラムのスティック折れてた。
気付いたら終わってた。
「ありがとうございました。気をつけて帰ってね。」
カネコアヤノさんがこのライブで唯一発した言葉。
心って飽和するらしい。
タクシーで帰ろうとしてたけど
気付いたら梅田駅までみんなと歩いてた。
もっと必要としている人に
届くべき歌。
帰りの途中買ったコーヒー不味かったな。
でも最高に美味しかった。