2021.09.28 Tue
Martin Margiela: In His Own Words
「Maison Martin Margiela」
言わずと知れたパリのファッションブランドのデザイナー「マルタン マルジェラ」
のドキュメンタリー映画
「マルジェラが語る、マルタンマルジェラ」
を見てきました。
題名になるほどですが、
今まで公の場で姿を見せる事が全くなかったマルタンマルジェラ本人が作品の中に登場し、本人の声が聞けます。
ただし登場するのは彼の手とアトリエのみ。顔は明かされていません。
ファッション業界の革命児と言われるマルジェラ
当時数々のファッション業界の常識を覆してきた人なので
当初僕が抱いてた尖ったイメージとは全く異なる、柔らかく純粋に服作りへの愛と謙虚さと優しさが映像の中に溢れていました。
マルタンマルジェラが生誕して
主にMaison Martin Margielaが1988年にスタートを切ってから、2008年に自身のブランドを離脱し引退するまでを
作品名の通り本人が語りながら話が進んでいく本作。
その中で僕が1番心に残った言葉は
引退の前に語っていた
「最後は自分の会社でアートディレクターのような立場にあり、苦痛だった。僕はファッションデザイナー。創るのが本分だ。アシスタントに指示を出すだけのディレクターじゃない」
本作にも、パンフレットにもあったこのカットも印象的でした。
20周年のショーの後に黙って引退してしまったクリエイティブチームへの感謝のメッセージ
いつでも「私」ではなく「私達」と言ったり
強烈な哲学と思想を持ちながら、謙虚で自分自身を表に出さず、服とモデルそしてチームを表に出す
決して多くは語らず
手で語る(作中で手仕事が印象的)
良くも悪くも分かりやすいモノが、ウケやすくなっている昨今に
彼のようにメッセージを込めた作品を世に出しながら、
受け手はどういう意味なんだろうと深く考察しなければならない。
そして正解なんてなく、
「見る人が自分で考えて」
とゆう考えが
時代遅れなのかもしれないけれど、
情報が溢れまくって、スマホさえあれば簡単に調べれるこの時代に
逆に新鮮に映ったのか
世代だった僕の好みだったのか
わかりませんが
刺さった言葉がたくさんあった映画でした。
好きな方、世代の方だったら一度は見た方が良いと思います。
なんせマルジェラの肉声と手が見れます。笑笑
パンフレットのマルタンマルジェラの発言採録も必見です。(パンフレットはrossoに置いてますので興味ある方は声をかけて下さい。)
手仕事に関しては僕らの仕事も同じなので
たくさん想いを巡らせてお客様の髪をデザインさせていただきたく思います。
松井